■稲作に関わるメタン排出量は、日本で1,306万トンと約40%を占める
2024年4月に農林水産省発表の「農林水産分野における地球温暖化に対する取組」によると、2022年度における温室効果ガス排出量は、日本が11億3,500万トンのうち農林水産分野は4,790万トン。全体の排出量の4.2%を占めます。また、2024年4月に国立研究開発法人 国立環境研究所が公表した「日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2022年度)」では、日本における2022年度のメタン排出量2,986万トンに対して、稲作に関わる排出量は1,306万トンと全体の約40%を占めます。
水稲栽培の過程において、メタン※1は主に、嫌気的環境でメタン生成菌が有機物を分解する過程で発生します。水田が水で満たされると、土壌中の酸素が不足し、嫌気的な条件が生まれます。この環境では、メタン生成菌が活発に働き、大量のメタンが放出される原因となります。そのため、メタンの発生を抑制するためには、落水期間を長くすることが重要で、中干し※2期間を7日間以上延長することにより、メタン発生量を抑制することができます。
今後とも、LEOCは一次産業の活性化と環境負荷軽減に寄与する取り組みとして、持続可能な社会実現に向けた新たな一歩を踏み出してまいります。
※1 メタン:CO2の28倍の温室効果をもつ温室効果ガス
※2 中干し:水稲の栽培期間中、出穂前に一度水田の水を抜いて田面を乾かすことで、過剰な分げつ(根元付近からの枝分かれ)を防止し、成長を制御する作業