開発メニュー発表会の様子
午前中はさいき城山桜ホールキッチンコートにて、サポートメンバーの指示のもと、チーム毎に考案したメニューの調理を実施※2。2回の調理実習を経て、小学校の家庭科室とは違う環境の中でも、スムーズに料理を仕上げていました。その後、小ホールへ移動し、佐伯市 山﨑 吉明副市長による開会のお言葉を皮切りに、発表会がスタートいたしました。発表は全4チームで、児童たちによる発表の後、7名の方が試食いたしました。
※2 文部科学省「小学校学習指導要領」に基づき、生の肉・魚の調理は児童ではなく調理サポートメンバーにて調理。
最初に発表したのは、かぼすブリチーム。やまろ渡邉が加工・提供する「かぼすブリ」を主菜に置いた献立を発表。素材の味を楽しめる塩焼きにいたしました。渡邉 正太郎氏(やまろ渡邉 代表取締役会長)は、「熱を加えるとかぼすの香りが引き立ち、さっぱりした味わいで非常に美味しく出来上がっている」と述べられました。
次に、もものすけチームが発表。もものすけは、赤い皮を持つサラダカブであり、普通のカブよりも甘みがあり柔らかいのが特徴で、渡辺農園で有機栽培されています。カブが苦手な人でも食べられるものにしたいという想いで、ハンバーグに混ぜ込みました。園主の渡辺 英征氏は、「私が農園にきた方におススメしていたのは、生で食べることでした。ハンバーグになって、美味しくなっているので、これからはハンバーグで食べることを周囲の皆様におススメしたい」と満面の笑みで喜びを児童たちにメッセージを伝えました。
続いて、ほうれん草チームでは、渡辺農園で栽培された有機ほうれん草を主菜と副菜の2品に使用いたしました。主菜は「ベーコン・コーン・ほうれん草のバターソテー」、副菜は「ほうれん草のミニキッシュ」を考案。ミニキッシュでは餃子の皮を生地として使うなど、簡単に作れるメニューを目指しました。久々宮 克也氏(佐伯市教育委員会 教育部長)は、「野菜嫌いの子供にとって、ほうれん草はハードルが高い。ミニキッシュにすると食べやすいので、おやつで食べてもよいかもしれない」と述べられました。
最後に、れんこんチームが発表。毛利 恵美氏(佐伯市地域おこし協力隊・元隊員)が栽培する有機野菜「わたげ蓮根」を、「れんこん入りハンバーグ」と「具だくさんスープ」の2品に使用いたしました。チームの中で一番野菜を多く使用し、その分切る作業が大変でしたが、分担しながら丁寧に仕上げました。「れんこん入りハンバーグ」を試食した毛利氏は、「れんこんのシャキシャキした食感が活かされて感動しました」と語りました。また、「具だくさんスープ」を試食した山口 タカ氏は、「私は普段の食事でスープやみそ汁を必ず飲みます。今回のスープは野菜が豊富で栄養も摂れるなと感じました。本当にあまくて美味しかった」と保護者の皆様にもおススメをしていました。
全チーム発表後、昼食を挟み、試食メンバーを代表し3名にご講評いただきました。
《佐伯市教育委員会 教育部長 久々宮 克也氏コメント》
料理の可能性も無限大。学校給食は佐伯産のお米を使っています。野菜も4割弱は佐伯産です。佐伯食材の良さ、生産者を知るきっかけになったのではないでしょうか。
《佐伯市 副市長 山﨑 吉明氏コメント》
個性・表現の方法があり、とても頼もしいと感じました。LEOCのプロフェッショナルがサポートした食育授業を通して、今回の体験や調理技術を吸収したと思います。この体験を基に学んだことを周囲に伝えてほしい。
《LEOC 副社長執行役員 田中 源人コメント》
心のこもった料理に感動しました。今年の4月から実施して感じたと思いますが、食の中には、多くの生産者の皆様の努力と手間が集約したものであることを感じ取ってもらえたのではないでしょうか。
最後に、米水津小学校の岡田 豊校長先生より、「4月からLEOCと一緒に学びを取り入れてメニューとして具現化することをしてきました。児童たち自身で知識や技術を吸収し、素晴らしい食材に関わることで、故郷の良さを知るきっかけとなる気づきがあったと思います。産学官連携を実践し、さらに郷土愛を深めてもらいたい。故郷の誇りを感じる地域貢献の学習を今後も進めてまいります」とのお言葉を賜りまして、発表会は閉会いたしました。
来年1月以降、子どもたちが考えたメニューを各所で展開する予定です。地元協力飲食店「波平食堂」様でのメニュー販売や、大分県内のLEOC受託事業所でのメニュー提供、そして3月には実際に子どもたちの給食メニューとして登場いたします。
本プロジェクトを通し、産学官の連携を深めながら、子どもたちが生まれ育った場所への郷土愛を醸成し、子どもたちの食への関心を育み、考える場を提供してまいります。